退院してから家に戻った美和にまた男が襲いかかって来た。
しかし流産した事で美和は強くなったのか、襲いかかって来た男に食卓の椅子をもって攻撃した。
椅子が直撃した男はその場に倒れ気を失った。そんな男を見て今がチャンスだと思った美和は、男を引きずってベランダへ連れて行きそのまま突き落した。
団地の5階から転落した男はそのまま即死。
幸い住人が少ない団地で目撃者はおらず、男は自殺でかたずけられた。
男がヒステリック状態で怒鳴っていた声を聞いた人もいて、ストレスから追い込まれての自殺だと警察は断定した。
男を失った母親は無気力になり、美和にあたるようになった。働いているストレスを美和にぶつけて暴力をふるうようになり、手あたり次第の物を投げつけてきて家の中はすさまじい状態になっていた。
このままでは母親に殺されると思った美和は母親を殺害する事を決意した。
ある夜。
美和は家を出る決意をして荷物をまとめた。
家を出る前に母親を睡眠薬で眠らせ、キッチンに油をまいて火を放って家を出た美和。
団地の階段を降りて下へ辿り着いた美和は部屋から炎が噴き出しているのを見た。
「…これで私は自由。…彼の元へ行くわ…私は幸せにならなくちゃいけないの。…彼と一緒にね…」
焼け跡から見つかった母親の遺体は火葬して納骨してそのまま放置しているが、一部だけ瓶の中に入れて飾っている。黒い灰の様になっていて誰もお骨だなんて気づくことはない。
火災は結局、母親のタバコの火がゴミに燃えうつり火事になったと警察は断定したそうだ。
美和は火事が起こる前に家を出ていて無関係とみなされた。
白いバラを眺めながら美和は瓶へと目をやった。
「私はお母さんのようにはならない。若い男に依存して、若くいたいと縋って貢いで…。そんな生き方はしない。運命の人と、幸せになるの…。しっかりそこで見ていなさい。アンタなんかよりずーっと幸せになってあげるから」
母親が焼死して多額の保険金が手に入り美和の生活は大きく変わった。
高級マンションへ移り住み、ブランド品に身を包み目立つように派手なを選び髪の色も抜にしている。
だが美和は気づいていない。
若さに囚われているのは母親とそっくりである事。そして思い通りにならないと人を殺して平気な顔をして楽しんでいる姿は、母親が依存していた男とそっくりであることを。
3日後。
人事部長の葬儀も終わり落ち着きを取り戻した樫木法律事務所。
新しく派遣から男性社員が事務員として来てくれて人員の補填もできホッとしている。
愛良は新しいデスクと椅子。そしてパソコンが用意されいつも通り仕事をこなしている。
総務にコピーを取りに行くとヒソヒソと女子社員が悪口を言っているが何も気にしていない愛良。
幸太は外出が続き殆ど所長室にいない状態だが、見守りカメラで所長室の様子は見ている。他の社員にも気を付けて見ているように声をかけていた。
オフィスビルの前。
派手なワンピース姿で美和が佇んでいる。
「自宅待機ってなに? 私は、幸太さんの傍にいなくちゃいけないのよ。そうしないと、幸太さんにストーカーがついたら、どうするのよ」
そんな独り言をつぶやいている美和は、外出から帰って来た幸太が歩いてくる姿が目に入ると目を輝かせた。
「あ、幸太さん」
と、駆け寄ろうとしたとき。
幸太の傍に総務の事務員女子が駆け寄って来た。
何か急用で話をしている女子社員を見て、美和は怒りを露わにした表情をしている。
「あの女…幸太さんに付きまとうストーカーね。許さないわ…」
逆恨みもいい所だ。本気で怒りを向けて今にも殴りだしそうな顔をしている美和は恐ろしい。
「ストーカーは…私が退治してあげるわ」
いいながらスマホを取り出した美和は何やら書き込みを始めた。
しかし流産した事で美和は強くなったのか、襲いかかって来た男に食卓の椅子をもって攻撃した。
椅子が直撃した男はその場に倒れ気を失った。そんな男を見て今がチャンスだと思った美和は、男を引きずってベランダへ連れて行きそのまま突き落した。
団地の5階から転落した男はそのまま即死。
幸い住人が少ない団地で目撃者はおらず、男は自殺でかたずけられた。
男がヒステリック状態で怒鳴っていた声を聞いた人もいて、ストレスから追い込まれての自殺だと警察は断定した。
男を失った母親は無気力になり、美和にあたるようになった。働いているストレスを美和にぶつけて暴力をふるうようになり、手あたり次第の物を投げつけてきて家の中はすさまじい状態になっていた。
このままでは母親に殺されると思った美和は母親を殺害する事を決意した。
ある夜。
美和は家を出る決意をして荷物をまとめた。
家を出る前に母親を睡眠薬で眠らせ、キッチンに油をまいて火を放って家を出た美和。
団地の階段を降りて下へ辿り着いた美和は部屋から炎が噴き出しているのを見た。
「…これで私は自由。…彼の元へ行くわ…私は幸せにならなくちゃいけないの。…彼と一緒にね…」
焼け跡から見つかった母親の遺体は火葬して納骨してそのまま放置しているが、一部だけ瓶の中に入れて飾っている。黒い灰の様になっていて誰もお骨だなんて気づくことはない。
火災は結局、母親のタバコの火がゴミに燃えうつり火事になったと警察は断定したそうだ。
美和は火事が起こる前に家を出ていて無関係とみなされた。
白いバラを眺めながら美和は瓶へと目をやった。
「私はお母さんのようにはならない。若い男に依存して、若くいたいと縋って貢いで…。そんな生き方はしない。運命の人と、幸せになるの…。しっかりそこで見ていなさい。アンタなんかよりずーっと幸せになってあげるから」
母親が焼死して多額の保険金が手に入り美和の生活は大きく変わった。
高級マンションへ移り住み、ブランド品に身を包み目立つように派手なを選び髪の色も抜にしている。
だが美和は気づいていない。
若さに囚われているのは母親とそっくりである事。そして思い通りにならないと人を殺して平気な顔をして楽しんでいる姿は、母親が依存していた男とそっくりであることを。
3日後。
人事部長の葬儀も終わり落ち着きを取り戻した樫木法律事務所。
新しく派遣から男性社員が事務員として来てくれて人員の補填もできホッとしている。
愛良は新しいデスクと椅子。そしてパソコンが用意されいつも通り仕事をこなしている。
総務にコピーを取りに行くとヒソヒソと女子社員が悪口を言っているが何も気にしていない愛良。
幸太は外出が続き殆ど所長室にいない状態だが、見守りカメラで所長室の様子は見ている。他の社員にも気を付けて見ているように声をかけていた。
オフィスビルの前。
派手なワンピース姿で美和が佇んでいる。
「自宅待機ってなに? 私は、幸太さんの傍にいなくちゃいけないのよ。そうしないと、幸太さんにストーカーがついたら、どうするのよ」
そんな独り言をつぶやいている美和は、外出から帰って来た幸太が歩いてくる姿が目に入ると目を輝かせた。
「あ、幸太さん」
と、駆け寄ろうとしたとき。
幸太の傍に総務の事務員女子が駆け寄って来た。
何か急用で話をしている女子社員を見て、美和は怒りを露わにした表情をしている。
「あの女…幸太さんに付きまとうストーカーね。許さないわ…」
逆恨みもいい所だ。本気で怒りを向けて今にも殴りだしそうな顔をしている美和は恐ろしい。
「ストーカーは…私が退治してあげるわ」
いいながらスマホを取り出した美和は何やら書き込みを始めた。