熱い吐息が、魔女ガーネットの首筋にかかる。
 真っ赤な髪をふりみだし、ガーネットはベッドの天蓋をあおいだ。皇太子レオンに抑えつけられて身動きがとれない。

「なんて、美しいんだ……」

 光り輝くような美青年は、ぽつりとつぶやく。
 澄んだエメラルドブルーの瞳は、この国で一番高貴な血筋のシンボル。
 レオンは愛おしそうに、ガーネットの華奢な鎖骨を撫でた。

「私がこの国で一番麗しいと思うのは、ガーネットしかいない」

 やや目尻の下がった大きな瞳と、目元の泣きぼくろがセクシーな甘いマスク。
 低い声は男性的で、整った顔立ちからは想像ができない。
 レオンは月のような銀髪を揺らし、ゆっくりと口づけようとする。

 ガーネットは反射的に顔をそむけた。

「……」

 レオンは、ガーネットの身体を開放した。