Side美鈴
見知った天井…
あれ、私そういえば…悠希さんにバイクを運転してもらって
それから…寝た、え?じゃあどうやってここまで来たんだ?
ガチャッ、鍵が開く音がした。お母さんだ…
早足で自分の部屋に戻る
ドンドン足音が近くなる、
「帰ってきたわよ、学校どうだったかしら?」
ドクン心臓が潰されそうになる。
「えっとねぇ〜、道で校長先生にあつたんだぁ〜アハハ」
空元気ならず空笑いというやつだろう…
「そうなの?まぁいいわ、早く準備しなさい」
少し疑ってそうだったけど、大丈夫そう
キンコーン
インターホンが押された
お母さんの声のトーン上がった
「はーい、どちら様ですか?」
こんな時間に誰だろ、そんなことを思ってると、昨日聞いた声が聞こえる。
「あの、美鈴いますか?」
お母さんの声のトーンが下がる
やってしまった、
やばいと思った時には遅かった
「美鈴、呼ばれてるわよ」
低くて怒ってるような声
頭を高速で回して、言い訳を探す、
「はーい、あっ!悠希さん来てくれたんですね!」
お母さんが嫌そうな顔をして私を見る
「この人はね、昨日会った校長先生ノ息子さん、私が迷わないように迎えに来てくれたんだ!」
お母さんの顔が少し和らぐ
早く行かないと、色々聞かれる、急いで靴を履いて、早口で言う
「悠希さん、早く行こ」
急いで、悠希さんの、手を掴んで行ってきますとだけ声をかけて出る、
家が見えなくなるまで、走った
ハァハァ、息が荒くなる
「美鈴、大丈夫?」
あ、私悠希さんの手を握ったままだ、
ヤバっ!すぐに手を離して
「すみませんっ!」
と謝る…
そうすると悠希さんは、
「もうちょっと繋いでても、良かったのに」
へ?え?は?
意味が分からず混乱してる、私を横に
悠希さんは、くくっと微笑んで「かわいい」って言った…?
顔が熱くなる…
そんなことをしながら、学校が見えてきた
そうだ、きっと悠希さんは3年生でしょう、
身長的にも
「ここまで送ってくれて、ありがとうございます!それじゃあ」
ここで、お別れをしようと思ったら、
彼が「何いってんの?」とでも言いたそうな顔で見てきた。
「俺とすずは、同学年で同クラにするから帰る時も行くときも一緒」
え?さっきの悠希さんと同じように、私も「何いってんの?」とでも言いたい!
「同じクラスにするって…?」
クラスだよなら分かるけど…するって?
「そのまんまの意味だけど、俺校長の息子だよ?w」
不敵な笑顔で当たり前でしょ?って言ってくる…
とりあえず聞かなかったことにしよう…
悠希さんのことを置いて急ぎ足で職員室に向かう…