今のようにシェイカーを使って混ぜるものもあれば、マドラーでかき混ぜるだけのものもある。グラスはカクテルグラスのイメージが強いけど、タンブラーグラスが使われたりもする。
また、同じノンアルコールカクテルでも、アルコールを飛ばしたワインだったり市販のノンアルコール飲料だったりといった、お酒の味がする飲み物を使ったものは、二十歳未満に提供しないのがこの店の決まりだそう。
春樹さんの言うことは意地でも聞き逃してなるものかと耳をそばだてていたら、いつの間にか色々と詳しくなってしまった。
「シンデレラなんて……またメルヘンな名前ですね」
「シンデレラみたいにお綺麗な志緒さんにぴったりでしょう?」
……春樹さんには照れるという感覚が欠如しているのだろうか。
こんなセリフを吐いても全く気障な感じがしないのが不思議だ。穏やかな笑顔のせいで、本気で言ってくれているのかと錯覚しそうになる。