「お父様、ご機嫌麗しゅうございます。」
「あぁ、綺世。久しいな、元気にしていたか?」
「ご心配には及びません。」
「そうか。立ち話はこの位にして二人とも掛けていいぞ。」
「「失礼します。」」

凛も緊張しているのか声のトーンがいつもよりも低い。

「さて早速本題に入る。……単刀直入に言おう、綺世、凛世。転校しなさい。」
「はっ?転校?」

驚きのせいか声が出なかった私に対し、先に口を開いたのは凛世だった。

「なんだ凛世……そんなに興味のある話なのか?」
「いえ、お父様、お話を遮ってしまい申し訳ありません。」
「お父様、その……転校とはどういったことでしょうか?」