そうこうしている内に車は神堂の本邸に着いたみたいで、私達姉弟は4年振りに父親に会う事になる。

執事達に促されるまま和風の豪邸に入る。 未だにこの光景には慣れない。私達はいつも別邸にいるから。
家族なのに本邸・別邸と区別があるのもおかしな話だよね笑

入口から談話室までの短い廊下が、異様なまでに長く感じる。なんでだろ。緊張してるのかな。

父親に会うくらいで緊張するなんて、私くらい……いや、私達くらい?

「綺世様、凛世様、お久しぶりでございます。」
「…………」
「綺世様?」
「……おい綺世!」
「っっ、凛っ?呼んだ?」
「んっ、前見ろ。」そう言うと視線を前に向ける凛世。
「前田さん!?え、前田さん、久しぶりですね!4年振りですか?」
「綺世様、見ない内に随分とご立派になられましたね。」