高校2年の春、奇跡が起きた。
 彼ら『メガネ男子四人組』は同じクラスになった。
 掲示板に貼り出されたクラス名簿に四人の名前と
『浜辺 葵』という名前を見つけ出す。
 クラス編成初日、前半はランダムに
着席をするために、教室内では女子が
固まって席に座っていた。
 ホームルームの中盤にはクラス委員長が
選出され、後半に待望の席替えの
くじ引きが行われる。
 このイベントに例の四人が何もしないわけがない。
 掲示板を見た後、柴田が三人を招集する。
 何やらこそこそと話をする四人、
 クラス委員長選出選挙、
 「柴田君に決定しました」
  とあっさりと柴田がクラス委員に選出され、
第一関門を突破する。
 続いてクラス委員が席替えの準備のための
くじを準備する。
 何食わぬ顔をする柴田、
無言で箱に入ったくじを持って各自の席を回る。

 席替えの結果、『浜辺葵』をを中心に前に
門番的に誰とでも会話が可能な井上、
後ろには強面の青木を配置することで、
クラス全員おろか他クラスからの敵の侵入に備えて睨みをきかせる。
 右手にオールマイティの小野田、そして司令塔として彼女の左に位置をとる柴田。
 これが『浜辺葵』を守る、鉄壁の
フォーメーション。
 四人が駆使して作り上げたこの作戦、
浜辺葵はこのことを知ることもなく
『四人のメガネ男子』に囲まれた
センターポジションで自分の席につくのであった。