お弁当を食べながら葵をはじめ女子のトークは
盛り上がる。
 トークの内容は勿論、クラスの男子や先輩男子についてだ。
 まあ、時々男子教師も登場するようだが……。

 葵がクラスの女子に聞いた。
 「ねえ、うちのクラスメガネ男子多くない?」
 「そうかな? 多いかな?」とクラスメイトが言った。
 「そうだよ。だって、私の周りみんなメガネ
男子! それも前後左右」と葵が言った。
 「まあ、言われてみればそうだね~。
 葵の周りみんなメガネ男子だ!」
 「でしょ? でしょ?」
 「でもさ、葵の周りのメガネ男子はみんな
イケメンじゃん」
 「えっ?」と葵が言った。
 「葵、気づいてないの? 彼らメガネの下の
素顔……あれはいいよ~」

 「前の席の井上君は、ニコニコしてて年下
可愛い系男子でしょ。
 後ろの席の青木君、強面だけどワイルド系で、
左隣の柴田君は、クールで知的でドSタイプ。
 そして最後の右隣、小野田君は学年一の
モテ男」
 「えっ? 学年一のモテ男? 小野田君が?」
 驚く葵。
 「知らないの~? 葵、あんた何処見てるのよ」
 と言われる葵。
 「ふ~ん。そうなんだ。
 私、メガネしか見てなかったから。
 メガネの下までは観察してなかった」
 と葵がボソリと呟いた。

 「そろそろ、教室戻る?」と一人が言った。
 「そ~だね」と言うと女子たちは全員教室に戻って行った。