そんな時、唯一、
自分から話しかけてくれたのが今宵くん。



今宵くんのお陰で、
話すことのなかった、1学年下の後輩とも話せるようになった。



今宵くんの優しさに沢山助けられてたと思う。



そう思って、懐かしんでいると...............



「............っ、幸花さん、
僕の優しさ、〝誰にでも〟じゃないですよ」



〝誰にでも〟を強調するように言う今宵くん。



そして、今宵くんは、
カウンター側に回るとニコッと笑って。



──────ギュッと、握られた手。



「〜〜っ、今宵くんっ、」



手を握られて、
今宵くんの甘い瞳に見つめられて。



(〜〜っ、うぅ、ドキドキしちゃう、)



ドキドキしない方が、
無理だなって思うぐらい、鼓動が激しい。