しかし内蔵している魔石の魔力が切れたのか、今ではどれも使いものにならず、倉庫が足りなくなってきたのもあって、廃棄してしまうことになったのだという。

「えー、捨てちゃうの? なんかもったいない……面白いやつもありそうなのに」
「好きなもんがありゃ、持って行ってもいいぞ。家の飾りにくらいしかならねぇだろうがな」

 そう言うと、ドンホリさんは大きな木箱を持って来て、それらを中に詰め込み始める。ハーメルシーズ城の一角には大きな焼却場があり、そこでいらないものがあれば燃やして処分してしまうのだ。

(どうだろう……魔道具自体が作り始められて、まだ十年ちょっとだし。まだ動くものもあるのかも……)

 私は自然とそれらをひとつひとつを手に取り、手で埃を払うと、内部の機構を確かめてみた。

(……中の術式盤に傷みなし。回線も切断や脱落はせず、ほとんどが内蔵されてる魔石の魔力を使い切っただけだわ……。捨てちゃうんだ、まだ、十分使えるのに……)