「ぷはぁっ! あ、ありがとうございま……」

 すぅーと……ようやく自由に息が吸え、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込んだ私はそこで固まった。

「ぜぃ、ぜぃ……。ずいぶん楽しいおふざけをしでかしてくれんじゃないの? あんたってば……」

 そこには、額に青筋を立てて拳を震わせるリラフェン嬢の姿が……。
 そしてこの後、城内の警備兵が大挙するほどの怒鳴り声が、私の鼓膜を貫いたのは言うまでもない……。