隣国マルディール王国の侵略を、ハーメルシーズ領が退けた、という知らせがこのノルシェーリア王国を駆け巡ってしばらく……。
私たちは今日も元気に、綺麗に修理され元の姿を取り戻した魔導具店“辺境伯の御用達”を切り盛りしている。
「そろそろお客さんも捌けて来たし、一旦店を閉めましょうか」
「そうね。ルシル、表の看板ひっくり返してきてー」
「はいよっと。またのご来店をお待ちしておりまーす!」
気付けば正午を過ぎており、最後のお客様に修理品済みの魔導具を引き渡すと……出て行ったその人を見送って鍵を閉めたルシルが戻って来る。言葉遣いは今も少し乱雑だが、すっかり彼女も店の制服が体に馴染んだようだ。
「今日はこっちの日じゃないのに、わざわざ出てくれてありがとう」
「いーえ。うちもここで働くの楽しいですし。厳しいリラフェンのおかげで、仕事もばっちり覚えられましたしね。もう、うちとサンジュさんだけでいいんじゃないですか?」
「すっかり生意気に……いや、あんたは最初から生意気だったわね。くぅ……先輩を敬う心を身に着けさせられなかったのが悔しいわ……」
「いいじゃんか、うちもあんたもサンジュさんに色々教わってる立場なんだし。ちょっと先に働き始めたくらいで変わんないじゃん? 仲良くしてよ」
私たちは今日も元気に、綺麗に修理され元の姿を取り戻した魔導具店“辺境伯の御用達”を切り盛りしている。
「そろそろお客さんも捌けて来たし、一旦店を閉めましょうか」
「そうね。ルシル、表の看板ひっくり返してきてー」
「はいよっと。またのご来店をお待ちしておりまーす!」
気付けば正午を過ぎており、最後のお客様に修理品済みの魔導具を引き渡すと……出て行ったその人を見送って鍵を閉めたルシルが戻って来る。言葉遣いは今も少し乱雑だが、すっかり彼女も店の制服が体に馴染んだようだ。
「今日はこっちの日じゃないのに、わざわざ出てくれてありがとう」
「いーえ。うちもここで働くの楽しいですし。厳しいリラフェンのおかげで、仕事もばっちり覚えられましたしね。もう、うちとサンジュさんだけでいいんじゃないですか?」
「すっかり生意気に……いや、あんたは最初から生意気だったわね。くぅ……先輩を敬う心を身に着けさせられなかったのが悔しいわ……」
「いいじゃんか、うちもあんたもサンジュさんに色々教わってる立場なんだし。ちょっと先に働き始めたくらいで変わんないじゃん? 仲良くしてよ」