事故から早一週間。
波琉は未だに意識を取り戻す気配がない。
もう夏も本格的に始まるというのに、冷たく無機質な病室で今も固く目を閉ざしている。
一方、事故を起こした運転手はといえば、車の破損こそ大きかったものの、救急車が来た後、すぐに意識が戻り軽傷だったという。
なんで、なんで波琉だけなの……。
当然、私は今もまだ事故のショックから立ち直ることができないでいる。
立ち直れるわけなんてなかった。
もしもあの時、ああしていればというたらればが、何度も何度も脳裏をよぎっては後悔と化す。
今はただ波琉が、一刻も早く目を覚ますことを願うばかりで。
それ以外、何もできなかった。考えられなかった。
「美海、明日は学校、どうする?」
ああ、そっか……。
お母さんに言われて、私はかれこれずっと学校を休みっぱなしだったことに今さら気が付く。
それくらい私の心は滅入っていた。
「明日は行くよ、そろそろ終業式も近いし」
「そう……無理はしなくていいのよ?」
お母さんの心配そうな視線に、私は大丈夫と作り笑いでごまかした。
それにこのまま家に閉じこもっていては、”あの時”と同じだ。
――ダメなんだ、もう。
過去と同じような過ちを繰り返すことだけは、絶対に。
波琉は未だに意識を取り戻す気配がない。
もう夏も本格的に始まるというのに、冷たく無機質な病室で今も固く目を閉ざしている。
一方、事故を起こした運転手はといえば、車の破損こそ大きかったものの、救急車が来た後、すぐに意識が戻り軽傷だったという。
なんで、なんで波琉だけなの……。
当然、私は今もまだ事故のショックから立ち直ることができないでいる。
立ち直れるわけなんてなかった。
もしもあの時、ああしていればというたらればが、何度も何度も脳裏をよぎっては後悔と化す。
今はただ波琉が、一刻も早く目を覚ますことを願うばかりで。
それ以外、何もできなかった。考えられなかった。
「美海、明日は学校、どうする?」
ああ、そっか……。
お母さんに言われて、私はかれこれずっと学校を休みっぱなしだったことに今さら気が付く。
それくらい私の心は滅入っていた。
「明日は行くよ、そろそろ終業式も近いし」
「そう……無理はしなくていいのよ?」
お母さんの心配そうな視線に、私は大丈夫と作り笑いでごまかした。
それにこのまま家に閉じこもっていては、”あの時”と同じだ。
――ダメなんだ、もう。
過去と同じような過ちを繰り返すことだけは、絶対に。