「翔悟、今日そっち行ってもいい?今日俺の家点検入るみたいなんだよね。」

「許可なんかいらないだろ、翔馬の家でもあるんだ。」



 翔馬さんと翔悟さんのこういう会話を聞くと、本当に兄弟なんだなって思う。



「あ、今日姉さんがいるけどいいか?」

「あー、いいよ。なんでまた?」

「心に会いたいそうだ。俺の初めての彼女がどんな子かみたいって昨晩メッセージが来ていた。」



 ちょうどこの部屋には、私と水島兄弟の2人しかいなかったからこんなオープンにその話をしたのだろう。



「あー、なるほどね。それなら、俺気まずくない?ね?ひなちゃん。」

「は、はい?…なんで私に話振るんですか?」

「それなら、日向もくるか?うち。」



 冗談か、本気なのか全くわからない私はしばらく沈黙していた。



「え、えっとー。なんでですか?」

「そっちの方が楽しそうだし?」

「部屋は用意できるが、どうする?」