雑誌の撮影は、さっきの歌番組の収録と違って華やかなキラキラした世界だった。

 “愛人にしたい男”がコンセプトだからか、衣装ははだけた白いシャツに黒いスラックスだけで、なんだか目のやり場に困ってしまった。



「ひなちゃん、撮影中ずっとどっか違う方見てたでしょ?」

「だ、だって!あんな格好まじまじと見る方が気まずいですよ!」



 今は、撮影が終わって送迎途中の車の中。



「そういえば翔馬さんって、翔悟さんと一緒に住んでるわけじゃないんですね。」

「うーん、まあね〜。今年の春からだけど。」

「まだ高校生なのに。どうしてですか?」

「実家が遠いのもあって元々翔悟と2人で暮らしてたんだけど、心と翔悟が俺のいる前でもイチャイチャしてるから、邪魔にならないようにね。」



 そう言って、次は笑いながらの悲しそうな顔。



「翔馬さん、心さん達の話になるといっつも悲しそうな顔しますよね。」

「そう?」