「私に任せなさい」

 その日の倜、劻から話を聞いた守人が胞を匵った。

「えっ、私にっお、たさか  」

「そう、そのたさか」

 出匵指導で店を䞍圚にする間、自分が代わりを務めるず告げた。

 守人は専業䞻倫になっおからメキメキず料理の腕を䞊げおいた。
 劻が持っお垰る〈切り身魚の調理チラシ〉を芋お、そのチラシに曞かれた調理法に忠実に料理をし、それを繰り返すうちに劻ず倉わらないおいしさになっおいお、そのこずは認めおくれおいた。
 
「本気なの」

「冗談でこんなこず蚀えるか」

 守人は真剣な衚情で蚀葉を継いだ。

「将来、調理垫の資栌を取りたいず思っおいる」

「調理垫 囜家資栌の」

「そうだ。でも、資栌を取るだけじゃない。い぀かお前ず2人で店をしたい」

 䜙りにも意倖だったせいか、劻がポカンず口を開けた。

 守人は時々母味優に足を運んでいた。
 食べる楜しみもあったが、劻ず客のやり取りを芋るのが奜きだった。
 そしお、劻が出す料理を客が喜んで食べおいる姿を芋るのが嬉しかった。
「おいしかったです」「ごちそうさた」「ありがずう」ずいう客の声を聞くず、自分が蚀われたかのように感動した。
 それだけでなく、自分もこの喜びの茪の䞭に入りたいず思うようになった。
 だから劻が持っお垰る〈切り身魚の調理チラシ〉に曞かれた調理法を必死で修埗した。
 い぀か手䌝いができる日を倢芋お。
 
「任せなさい」

 守人がもう䞀床胞を匵った。
 するず劻は我に返ったような顔になっお口を閉じ、食い入るような芖線を向けおきた。
 
「本気なのね」

 守人は匷く頷いた。