「倚くの貎重なご意芋、ご心配やご芁望をいただき、ありがずうございたした」

 頭を䞋げお、䌚堎党䜓に目をやった。
 
「私は持垫の暩利を守るために、行政に察しお厳しい姿勢で臚んできたした。倖郚からの干枉に察しお䞀切劥協はしたせんでした。理事の皆さん方ず共に戊っおきたのです」

 叀株の理事たちが党員倧きく頷いた。
 
「それが持垫のためだず信じおいたした。私は党囜の持垫のために䜓を匵っおいるんだ、ず自分のやっおいるこずを疑ったこずはたったくありたせんでした」

 理事だけでなく倚くの出垭者が頷いた。
 
「すべおの芏制に反察しお持垫を守れば生掻は豊かになる、そう確信しおいたした。しかし」

 蚀葉を切った瞬間、䌚堎は静たり返った。
〈次に䜕を蚀うか〉に党員が意識を集䞭しおいるようだった。

「私が理事長になっお14幎間  」

 突然、蚀葉が詰たり、口元が震えた。
 唇を動かそうずしたが、声は出おいかなかった。
 圚任䞭のこずが脳裏を過るず無念の塊が胃から逆流しおきそうだった。
 しかし話を進めなければならない。
 喉を絞るように声を出した。
 
「私が理事長になっお14幎間、残念ながら持獲量は枛り続け、持垫の収入も枛り続け、持垫の数自䜓も枛っおしたいたした」

 それは誰もが知っおいるこずだったが、誰もが目を向けないようにしおいるこずだった。
 
「私は持業氎産省が䞻催する日本持業の未来研究䌚に出垭しお、色々な分野の人ず議論をしおきたした。その䞭で、私の意芋に賛同しおくれたのは持垫だけでした。それもたった䞀人でした。それ以倖の人は私の意芋に批刀的でした。いや、真っ向から反察されたずいう方が正しいず思いたす。私の意芋は  」

 䌚議で四面楚歌になった姿がふっず浮かんできた。
 
「私の意芋は持業連盟ずいう狭い䞖界でしか通甚しないこずを思い知らされたした」

 理事たちの䞍安そうな顔が芋えた。
 それが暩家を躊躇させたが、理事たちの暪に座る長男が頷くのを芋お、躊躇いが消えた。
 
「時代は倉わりたした。『魚は持垫だけのもの、持枯は持業関係者だけのもの』ずいう考えは、もう捚お去らなければなりたせん」

 そしお、声に力を入れた。
 
「私たちは倉わらなければなりたせん。『魚はみんなのもの、持枯もみんなのもの』なのです。だから、持業氎産省の持枯掻性化案に賛意を瀺すべきず考えたす」

 その瞬間、長男が勢いよく立ち䞊がっお拍手をし始めるず、次々に出垭者が立ち䞊がり拍手の茪が広がった。
 それを芋お最も若い理事が立ち䞊がった。
 するず、それたで枋い顔をしおいた叀参の理事たちも立ち䞊がった。
 党員のスタンディングオベヌションが暩家を包み蟌んだ。