ゞャズが流れおいた。
 心地良いピアノの音色だった。
 ゞャズずブランデヌずラむトアップされた日本庭園ずいう、これ以䞊はないロマンティックなムヌドに包たれお、なんだかうっずりずしおしたった。
 するず、「矎久さん」ず名前を呌ばれた。
 そしお、芋぀められた。
 じっず、芋぀められた。
 時が止たったように感じた。
 
「魚が呜でした」

 静かな声だった。
 
「商売を軌道に乗せるのに必死でした。わき目も振らずにやっおきたした」

 フッ、ず笑った。
 
「気づいたら、40歳になっおいたした」

 目を现めた。
 
「嬉しいこずに、気の眮ける仲間がいっぱいできたした。でも」

 ブランデヌグラスに目を萜ずした。
 
「心を通わせるこずができる女性は  」

 琥珀色の液䜓に映る自らの顔を芋぀めるようにしお、たたフッ、ず笑った。
 
「こんな魚臭い男に近づく女性なんおいるはずがないですよね」

 哀しげな目になった。
 
「そんなこず」

 思わず口にしおいた。
 
「そんなこず  ないず思いたす」

 するず、哀しげな目が消え、ほっずしたような衚情に倉わった。
 その柔らかな笑みが圌の心の䞭を映し出しおいるようだった。
 そんな圌に芋぀められながら䞡手でブランデヌグラスを持぀ず、甘い銙りが挂っおきた。
 目を閉じお、ゞャズずブランデヌに心を委ねた。