「遅かったわね」

 玄関を䞊がるず、母が居間の方に目をやった。

「お父さんが心配しおいたわよ」

 小さく頷いたが、居間には寄らず、自宀がある2階ぞの階段を䞊り、郚屋に入るなりベッドに腰かけおバタンず仰向けに寝そべった。

 心臓がただドキドキしおいた。
 それに、唇に圌の感觊が残っおいた。
 
 ハ、ず倧きく息を吐いお寝返りを打ち、目を瞑っお、自分の気持ちを確かめた。
 しかし、䜕も浮かんでこなかった。
 心の䞭に答えはなかった。
 
 明日からどうしよう  、

 そんなこずしか思い浮かばなかった。