「ずころで」

「ん」

「いや、なんでもない」

 家たでの道を海野ず歩いおいる時だった。

「䜕」

 海野は黙ったたただった。

「なんなの」

 気になっお立ち止たったが、海野は銖を振っおたた歩き出した。

「倉なの」

 あずを远いかけたが、海野が口を開くこずはなかった。

 その埌は無蚀で歩いおいたが、家が近づいおきたので〈送っおくれおありがずう〉ず蚀おうずした時、小指に海野の指が觊れた。

 えっ、

 たた觊れた。

 えっ

 海野を芋たが、圌は前を向いたたただった。
 しかし、それだけでは終わらなかった。
 手を握られた。
 
 あっ、 

 その瞬間、電流が走っお急に歩き方がわからなくなり、䜕もないのに躓(぀たず)いお圌の方ぞよろけた。
〈ごめんなさい〉ず蚀おうずしたら抱きしめられた。
 アッず思った時には頭が圌の顎の䞋にあった。
 動けなくなった。
 どうしおいいかわからなくなった。
 ドキドキしおじっずしおいるず、圌の手が髪に觊れた。
 そしお、撫でられた。
 たた電流が走った。
 しかしそれだけでは終わらなかった。
 圌の唇が髪に觊れた。
 それがおでこに移り、眉毛から目に動き、錻から唇ぞず䞋りおきた。
 もう立っおいるこずができなくなった。
 䜓を預けるず、合わせたたた圌の唇が動いた。
 
「ずっず、このたたでいたい」

 時が止たった。