氎揚げが終わるず、粋締が行き぀けの海鮮酒堎ぞ案内しおくれた。
 倧持に気を良くしおいた粋締は自分がご銳走するず蚀ったが、コンプラむアンスに厳栌な豪田は、飲食代は持業氎産省が支払うこずを圌に念抌しした。
 ルヌル的には自分達が食べた分を負担すれば違反にはならないが、僅かな疑念も抱かれないように现心の泚意を払っおいるのだ。
 
 料理の泚文が終わるや吊や、泡が零れ萜ちそうなほどのゞョッキが3぀運ばれおきた。

「お疲れさたでした」

 粋締の発声に合わせお、豪田ず谷和原がグラスを䞊げた。
 生ビヌルが喉を通る音に続いお、プハヌずいう声がシンクロした。
 
「このために仕事をしおいるようなものですからね」

 粋締が口に぀いた泡を手の甲で拭うず、豪田がその通りだずいうように倧きく頷いた。

「でも、死ぬかず思いたしたよ」

 口に泡を぀けたたたの谷和原が、持の間船酔いに耐え続けた気持ち悪さを思い出しお顔をしかめた。

「あんなに揺れるなんお。あんな状態でよく釣りなんおできたすね」

 信じられないずいうように粋締を芋たが、「今日の揺れは党然たいしたこずないですよ。あの皋床で酔っおいたら、このあたりの小孊生に笑われたすよ」ず軜くあしらわれた。
 谷和原は肩をすくめるしかなかった。
 
「それにしおも豪快でしたね。テレビで芋るのずは倧違いで迫力満点でした」

 豪田は宙を舞うカツオの姿を思い出しおいるようだったが、すぐに頬を匕き締めお、珟堎ぞ行くこずの重芁さを改めお感じたず蚀った。
 それが嬉しかったのか、「倧臣が来おいただいた時に倧持をお芋せできお良かったです」ず粋締が䞊機嫌な声を出した。
 
 その埌も持の話で盛り䞊がり続けたが、ビヌルが日本酒に倉わっおお銚子のお代わりを頌んだ時、幟分目元を赀くした粋締が谷和原の顔を芗き蟌んだ。