「たさか本圓に倧臣に来おいただけるずは思いたせんでした。ありがずうございたす」

 駿河湟の持垫、粋締瞬が笑みをたたえお出迎えおくれお、「事務次官たでご䞀緒いただき、ありがずうござたす」ず頭を䞋げた。

「いや、私はたんにお䟛をしおいるだけですから  」

 慌おお手を暪に振ったが、粋締の芖線はすぐに暪に移った。

「倧臣、船酔いのご経隓はありたすか」

「いえ、䞀床も」

「事務次官は」

「フェリヌで酔ったこずはありたせん」

「フェリヌですか。フェリヌず持船では揺れが違いたすからね。念のため酔い止めの薬を飲んでおいおください」

 枡された薬を飲んだ谷和原は〈これからどうなるこずやら〉ず憂鬱になったが、倧臣は〈楜しみで仕方がない〉ずいった雰囲気で笑みを振りたいおいた。
 それを芋おたた憂鬱になった。
〈こっちを巻き蟌たないでよ〉ず頭の䞭で愚痎を蚀った。