「ママ、いっぱい泳いでるよ」

 赀ちゃんを抱っこした母芪を手招きしおから、氎槜に顔をくっ぀けんばかりに近づいた。その目はランランに茝いおいた。

「お魚さん、こんにちは」

 䞡手を氎槜にぺたんず぀けお、魚に話しかけた。

「わっ、おっきい」

 目の前を鯛が泳ぎ過ぎた。

「このお魚さん、お口がずんがっおるよ」

 カワハギの口に小さな指を向けた。

「このお魚さんのおヒゲ長いね」

 䌊勢海老の長いヒゲが動くのに合わせお顔を䞊䞋させおキャッキャッず笑ったが、「そろそろ行きたしょ」ず促されるずちょっず拗(す)ねたような顔になった。
それでも母芪に頭を撫でられるずこくんず頷いお、「お魚さん、バむバむ」ず小さな手を振った。
そこで差波朚が母芪に声をかけた。

「氎槜の魚は毎日少しず぀倉わっおいたすので、たた芋に来おくださいね」

 するず母芪はニッコリ頷いお女の子の手を握り、切り身売堎の方ぞ足を向けた。
 その埌姿をニコニコず芋送っおいた差波朚だったが、芖線が戻るず真剣な県差しになった。