その週間埌、日本持業の未来研究䌚第回䌚合が始たった。
 今回は、前回の出垭者に加えお流通系の代衚者たちが出垭しおいた。
 
「い぀たで魚が茞入できるのか、ずおも䞍安に思っおいたす」

 口火を切ったのは海利だった。

「買い負けが垞態化しおいるのです。䞭囜のみならず、ペヌロッパやアメリカにも買い負けおいたす。曎に、成長著しい新興囜ずの競争も激化しおいたす」

 それで䌚堎の雰囲気が䞀気に暗くなったが、もう䞀぀の重芁な指摘を躊躇うこずはなかった。

「買い負けだけではありたせん。氎産物の自絊率が䞋がり続けおいたす」

 その瞬間、䌚堎が隒めいた。
 日本の氎産業が眮かれおいる厳しい珟状を真正面から突き付けられたからだ。
 そんな䞭、黙っおいられなくなったのか、出垭者の誰かが声を発した。
 
「事務次官、日本の氎産物の自絊率は䜕パヌセントですか」

 急に問われた谷和原は焊ったような衚情で埌ろを振り返っお持業氎産省の担圓者に資料を芁求した。
 しかし、慌おた担圓者は手が震えたのか、うたく枡せず資料を床にぶちたけおしたった。
 
「そんなこずも頭に入っおいないのか」
「事務次官のくせしお䜕やっおんだよ」

 䌚堎の怒声が倧きくなり、隒然ずしおきたが、谷和原は資料を持ったたた固たっおいた。

 それを救ったのが豪田だった。
 
「60パヌセントを切っおいたす。残念ながら1964幎の半分近くになっおいたす。囜内生産量の枛少が䞻な原因です」

 しかし、䌚堎は玍埗しなかった。
 ずいうより、华っお野次を誘発しおしたった。
 
「他人事みたいに蚀うな」
「そうだ、そうだ」
「行政は䜕をやっおいるんだ」
「しっかりしろよ」

 神劙な衚情になった豪田が深く頭を䞋げおも怒声は止たらなかったが、それを静めるように海利が手で制するず、䞀気に䌚堎が萜ち着いた。

「行政の責任だけではないず思いたす。我々にも責任がありたす。我々流通業者は魚の資源量はもずより各皮持法が及がす海ぞの圱響などを真剣に考えおきたでしょうか 頭の䞭は売䞊ず利益のこずだけだったのではありたせんか」

 その途端、ざわざわず隒がしくなり、隣の人ず目を合わせる人が増えた。
 しかし海利はそんなこずに構うこずなく蚀葉を継いだ。
 
「私は本圓に反省しおいたす。䌚瀟のこずしか考えおこなかった自分を情けなく思っおいたす」

 するず自分事ずしお受け止めたのか、打っお倉わっお静かになり、芖線が海利に戻っおきた。それを逃さなかった。

「私たちは分岐点に差し掛かっおいたす。決断の分岐点です。それは未来を決める分岐点ず蚀っおも過蚀ではありたせん。人類の未来がかかっおいるのです。もし、氎産物の持続可胜性が閉ざされるこずになったら人類に未来はないでしょう。魚がいなくなった䞖界は人類の滅亡を意味するのです。ですから、もう䞀刻の猶予もありたせん。今すぐ行動しなければならないのです」