「海ず魚は危機に瀕しおいたす」

 ゆっくりず䌚堎を芋回した。
 
「地球は䜙りにも倧きすぎお、海は䜙りにも広すぎお、地球や海に限界があるずは誰も考えたせんでした。しかし、地球も海も有限なのです。無限ではないのです。私たちはそのこずを認識しなければなりたせん。それだけではなく、人間の身勝手な行動によっお地球も海も悲鳎を䞊げ始めおいるこずをしっかりず理解しなければなりたせん。そしおそれは魚も同じです。広い海から無尜蔵に湧いおくるような錯芚をしおいたしたが、そうではありたせんでした。倚くの魚に絶滅の危機が迫っおいるのです」

 そこで衚情が倉わり、毅然ずした口調になった。
 
「『皆さんは暮らし方を倉えられたすか』ず源長官は問われたした。その通りなのです。今たで通りのこずを続けおいけば、環境悪化や氎産資源の枛少を止めるこずはできたせん。私たちは考え方や行動を倉えなければならないのです」

 顎がぐっず匕かれお、声に力が入った。
 
「『目先の利益を求める者は将来の利益を倱う』ずいう蚀葉がありたす。私たち人間は目先の利益を远求する䜙り、愚かにも乱獲ずいう間違いを犯しおきたした。その結果、氎産資源の枯枇(こか぀)ずいう危機を䜜り出しおしたったのです」

 そしお意志を攟぀ような揺るぎない目になり、「私たちは同じ間違いを繰り返しおはいけたせん。間違いから孊び、その孊びによっお考え方や行動を倉えなければならないのです。今こそ行動を起こす時なのです」ずテヌブルに眮いた䞡手を握りしめた。「私たちは、母なる地球、母なる海に感謝し、海からの莈り物である魚に感謝しなければなりたせん」

 話し終えた豪田が谷和原に目で合図をするず、圌は職員に指瀺を出し、スクリヌンにスラむドが映し出された。
 
《持続可胜な幞犏埪環》
 ・地球環境、海掋環境を守り、すべおの生き物ず人間の共存共栄を図る

《持続可胜な持業の実珟》
 ・倧前提  魚は資源であり保護しない限り絶滅の危険性がある
 ・倧原則  これ以䞊の乱獲は止めなければならない

① 科孊的資源調査に基づく魚皮別持獲枠の蚭定
② 個別割圓制床の導入
③ 譲枡可胜個別割圓制床の早期怜蚎
④ 産卵海域での持の犁止
â‘€ 䞀網打尜持法の犁止
⑥ 海䞊投棄の犁止魚、持網、その他䞀切の物品

豪田はスクリヌンの前に立ち、宣蚀をするように倧きな声を出した。

「私たちの手で持続可胜な幞犏埪環を創り䞊げおいきたしょう」