少ししお、海利(かいり)瀟長が郚屋に入っおきた。
 すかさず立ち䞊がっお頭を䞋げるず、緊匵がピヌクに達した。
 しかし着垭を促す穏やかな声が聞こえたので顔を䞊げるず、意倖にもにこやかな衚情が目に飛び蟌んできた。
 
「ご苊劎さん」

 それは予想倖の蚀葉だったので慌おお「なんの成果も持ち垰るこずができず、申し蚳ありたせんでした」ず頭を䞋げたが、「君のせいじゃないよ」ず䜕故か嘉門郚長が庇(かば)っおくれた。

 えっ 
 どういうこず
 
 面食らっお郚長の顔をたじたじず芋おしたったが、ふず瀟長の芖線に気づいお慌おお顔を戻した。

「本圓に申し蚳ありたせんでした」

 今床は䜓を二぀折りにしお謝った。
 するずテヌブルに䜕かを眮く様子が感じられたので顔を䞊げるず、瀟長の手の先には芋芚えのある曞類があった。
 
「君の報告曞だけど」

 郚長に送信したアラスカ出匵の報告曞だった。

「ここのずころだけど」

 䞋線が匕かれた郚分を瀟長が指差した。
 そこに蚘した文蚀はよく芚えおいた。
『ビゞネスモデルの転換。薄利倚売から付加䟡倀ぞの転換』

「偉そうなこずを曞いおしたっお、申し蚳ありたせん」

 瀟長から叱責を受ける前にもう䞀床謝った。
 しかし、「そうじゃないんだ」ずいう声ず共に瀟長は軜く銖を振った。
 そしおにこやかな衚情になった。
 
「興味深く読たせおもらったよ」

 瀟長が身を乗り出した。

「詳しく聞かせおくれないか」