「葉子…?」

「………」

「よ、う、こ」

「……………」

「ねぇ?ちゅー、していい?」

「……うん。…って、えっ?!」


放課後、昇降口で靴を履き替え光樹くんの元に歩み寄った私…。

でも、朝…光樹くんファンの子に釘を刺された言葉が胸にザワついて、ぼぉーっとしていたら、光樹くんが突飛もない事を言って来た。


思わず頷いてしまったけれど、かぁーっと熱くなった頬をすり、と撫でられくすぐったくて上を見る

すると、光樹くんはくすり、と微笑んでから、


「やーっとこっち見た。あんまり、放ったらかしにすると、葉子の彼氏様はイタズラしちゃうんだよ?」

「えっと、えっと、えっと……」

「くすくす…そんな葉子も好きだけどね」

なんて、ちょんちょんと鼻先を突かれ、きゅっと光樹くんの目を見ていた目をつむったら、ちゅ、とキスをされた。


「誰がなんて言おうとも、俺の彼女は葉子だけだよ」


本当に、私には勿体無いくらい、格好良くて。
格好良すぎて、息が止まりそう……。


こんなに、毎日毎分毎秒…溺愛されてしまったら、もう光樹くんに雁字搦めに囚われて、逃げられない。 


分かっていても、それを嬉しいって思っている自分がいて、恋を覚えたての私には、本当に胸がきゅんとしたり、つきんとしたり、目まぐるしい。


ジェットコースターみたいな、この感情は…。

光樹くん、貴方だけに向けられたもの。

それを、きちんと伝えられたら…今はそればかりを願ってます。