君は、お友達を信じることはできるかい?
たとえ、隠し事があったとしても。
たとえ、本当のことを言うのが苦手な子だとしても。
心の底から、信じることはできるかい?
僕は、信じてみようと思ったんだ。
大好きな、大切なお友達を。
でもそれは、思っているよりも難しい。
まして自分が裏切られたと思ってしまうような、そんな大変なことだとしたら。
きっと傷つくに違いない。
きっと心が折れてしまうに違いない。
それは、本当に。
とっても難しいんだ。
◇
月森あお 様。
明日は誕生日だね。
親愛なるきみへ、プレゼントをあげたいと思います。
ただし、わたしに勝負で勝ったら、ね。
今日の夕方、鳥辺野神社で待っているからね。
写真に封じた、お友達もみんな連れておいで。
そこで、プレゼントが何か教えてあげる。
PS.今日は本気でいくからね、せいぜい覚悟しておいて。
◇
二年と八十九日目。僕の誕生日前日。令和六年八月十六日。金曜日。
「やあきみ。待っていたよ」
暮合の、僕たちふたり以外誰もいない寂れた児童公園。
きぃ子ちゃんが聞いてくる。
とっても明るい表情。
プレゼントって、何だろう。
勝負って、何だろう。
これからとっても楽しいことが待っている。
そんな予感のする夕方五時四十五分。
「頼んだものは、持ってきた?」
「うん! 持ってきた!」
「全員?」
「うん、全員分だよ!」
僕はリュックサックを開けて、インスタント写真を取り出した。
トイレの花子さん、瞳さん──口裂け女さん、座敷童くん、一つ目小僧のお鈴ちゃん。
そのほかにも、きぃ子ちゃんが撮ってくれたお化けたちの写真がいっぱい。
今の僕の友達の全部だ。
たとえ、隠し事があったとしても。
たとえ、本当のことを言うのが苦手な子だとしても。
心の底から、信じることはできるかい?
僕は、信じてみようと思ったんだ。
大好きな、大切なお友達を。
でもそれは、思っているよりも難しい。
まして自分が裏切られたと思ってしまうような、そんな大変なことだとしたら。
きっと傷つくに違いない。
きっと心が折れてしまうに違いない。
それは、本当に。
とっても難しいんだ。
◇
月森あお 様。
明日は誕生日だね。
親愛なるきみへ、プレゼントをあげたいと思います。
ただし、わたしに勝負で勝ったら、ね。
今日の夕方、鳥辺野神社で待っているからね。
写真に封じた、お友達もみんな連れておいで。
そこで、プレゼントが何か教えてあげる。
PS.今日は本気でいくからね、せいぜい覚悟しておいて。
◇
二年と八十九日目。僕の誕生日前日。令和六年八月十六日。金曜日。
「やあきみ。待っていたよ」
暮合の、僕たちふたり以外誰もいない寂れた児童公園。
きぃ子ちゃんが聞いてくる。
とっても明るい表情。
プレゼントって、何だろう。
勝負って、何だろう。
これからとっても楽しいことが待っている。
そんな予感のする夕方五時四十五分。
「頼んだものは、持ってきた?」
「うん! 持ってきた!」
「全員?」
「うん、全員分だよ!」
僕はリュックサックを開けて、インスタント写真を取り出した。
トイレの花子さん、瞳さん──口裂け女さん、座敷童くん、一つ目小僧のお鈴ちゃん。
そのほかにも、きぃ子ちゃんが撮ってくれたお化けたちの写真がいっぱい。
今の僕の友達の全部だ。

