2日経った。




香奈子は迎えに来た親戚の車に乗って家を出て行った。




チェストの奥にしまっておいた箱を取り出す。




中に入ったものがゴトッと音を立てて転がる。




ゆっくりと箱の蓋を開けると中からは火葬の前に取っておいた香奈子の骨が出てくる。




包丁研ぎで先を鋭利に研いでおいたおかげで、ちょっと触っただけでも怪我をしそうだ。





「香奈子。これが香奈子との約束だもんな。ちゃんと香奈子の骨を刺して死ぬよ。これで香奈子に一途だって信じてくれるんだよね?」





誰もいなくなった部屋で一人、香奈子の骨を両手に持って自分の胸に向ける。