半日はアルバイトで消費され帰宅する前から
携帯が鳴り
メールが入り
友人達が
『 私の話を聞いて!!
ご飯奢るからさ~!!』
『買い物付き合ってぇ~!』
と、 うるさい。
友人達には半分付き合っても
3か月前に知り合った
「良平」がことあるごとに
会いに来る。
私こと
「寺間 花」
が彼をうるさく思いながらも受け入れてしまうのには
いくつかの理由がある。
ひとつには料理がとても上手なのである。
私は今どき珍しい5人兄弟の末っ子に生まれていて
特に父が私を
『 蝶よ 花よ 』
と、育てて
小さい頃から好きな本を
買ってくれて読ませてくれたので
肝心の食べえる事
料理に関しては教えもしなければキッチンにも立たせてくれなかった。
28歳になった今も
ご飯の炊き方を知らなければお味噌汁の作り方も知らない。