『 は~な~来たよ、
すごいね!
足の踏み場もないって、こ
のコトを言うんだなキッ
ト! 』
良平は物を片付けながら花のところにやっとたどり着いた。
私は昨夜久しぶりで友人とおしゃべりして遅くなった事、アルバイトもあるし原稿書きもあるし言い訳を並べ立てた。
そして、
『 おなかもすいたよ~ 』
っと。
『 花!部屋を美しくする
と神様がここを通って行く
んだよ 』
っと。
『 神様は綺麗好きで窓を
開けて掃除している時、風
もない穏やかな日なのに突
然ものすごい音で部屋の中
を突風がとおるのは、そう
いうことなんだよ。
空を見ていると
゛いま"神が通っていった
ことわかるよ 』
『 どうして、それがわかるの? 』
『 雲の形でわかるんだ 』
花はお腹が空いている事を思い出して良平の手から下げているビニール袋の中の林檎に目がいった。
『 あーこれね、実家の裏
山にある僕の特別な林檎だ
よ。今年は何年ぶりかで大
きなのがいっぱい実ったか
ら花に持って来たよ。 』