私は恋に落ちた。何度も何度も恋に落ちた。
 
 その時、ひとつの小さくて壮大な初めての恋を体験した。
 
 今でも昨日の事のように脳裏に焼き付いているあの時のドキドキした気持ちも、足から崩れるような悲しみも全部全部君がくれた。
 
 君は世の中にはふたりの運命の人がいると教えてくれた。
 
 ひとりは苦しみや悲しみ、楽しさや嬉しさなど様々な気持ちを教えてくれる、

 “自分を変えてくれた人”
 
 そして、もうひとりは1人目の人がいてくれたおかげで変われた新しい自分を、

 心から愛してくれる人。
 
 多くの人は「1人目がいたから、出逢えたんだ。」と思えたときに1人目が誰だったのか。

 その存在に気付くことが多いかもしれない。
 
 でも、私は2人目に出逢う前にもう気付いてしまった。
 
 君が、「1人目の運命の人」だということに。