相馬邸。

「今夜は帰りが早いんですね…蓮人さん」

「まぁな」


麻友はいつもと変わらず笑顔で俺を迎えてくれた。

でも、その笑顔の中で、麻友は俺との離婚を考えている。

俺が初恋の相手で、俺とキスを交わしただけで嬉し涙を零した可愛いらしい麻友。

俺がどんなに冷たくても彼女は俺の事を想っていた。

そんな彼女をしっかりと愛で包んでいれば…


―――今年で結婚二十五年目…


銀婚式を迎えると言うのに…


俺たちはこれでお終いなのか?


「蓮人さん?私を顔をジッと見てどうしたんですか?」

「話があるから…その書斎に来てくれ」