『ヘブンズホテル・ベイ東京』
フレンチレストラン『エルミタージュ』
久しぶりに家族四人揃って、ディナーを共にした。
圭人も海外事業部の部長職に就き、忙しい日々を過ごす。
俺の父親似で、年中マリンスポーツを楽しんでいた。

「お前が首謀者か…圭人」

「そうだよ…璃友に父さんが本当に母さんが愛してるかどうか知りたいってどうすればわかるかって、相談されてさ」

俺と麻友は顔を合わせる。

「・・・お父様の動揺っぷりを見て…よーくわかったわ…」
俺は見事に娘に騙された。
「・・・璃友お前なぁー…」



「だって…私から見れば…お父様って…モラハラな感じがあるから…お母様が可哀そうに思えて…」

「モラハラ!?俺が…?」

「うん」

璃友は強く頷く。