私が受け持っている教え子たちは、確かにみんな私のことを慕ってくれている。

「それは有り難いことです」

「有り難いこと、じゃないんですよ!ハッキリ言わせていただきます。それだけお綺麗なのに、やたらマニッシュで、未だに独身の先生には、うちの大事な娘はお任せできないんです!何が言いたいか、おわかりですね?」

おわかりですねと言われても。

数秒考えたあとで、ハッとした。

「もしかして、私が同性愛者だと思っておられます?」

「当然ですよ!そうでなければ、美人が売れ残るわけないでしょう」

酷い差別と偏見に、思わず頭が痛くなった。

「お母様、それは差別というものですよ。今の時代、LGBTQ批判はお子さんの教育にも…」

「否定なさらないんですね?」

「この流れで否定したら、同性愛者への差別を助長することになるでしょう?しかし、少なくとも私は小児性愛者ではありません!」