───夢だよな？───
電車が最寄り駅に着き扉が開く。



人並みに流されながら電車を降りると…



そこにはいつもとは違う光景が眼前に広がっていた。



「！？」



びっくりして辺りを見渡す。



「どこだ…ここ…？」



そこはどこまでも果てしなく広がる草原だった。



ポロロンというハープのような音が聞こえ辺りを見渡す。



「なんだ！？」



「こちらゲームマスターです」



「！？」



「これから貴方にはユーザーネーム・性別を決めて頂きます」



「は？ゲーム？ユーザーネーム？」



俺は仕事場に向かっていたはずなのに何故？



フォンという効果音と共にキーボードが出て来た。



「こちらにご入力してください」



そこからゲームマスターと名乗る女にひたすら「ご入力してください」と迫られとりあえず本名



の"Fuuta”をローマ字で入力する。



「よろしいですか？」



ゲームマスターと名乗る女が素っ気無く進行する。



「あぁ」



そうだこれは夢だ仕事をやりたくないあまりにこんな夢を見てるんだ。



「それでは性別を選んでください」



画面が切り替わりいつの間にかキーボードは消えて"男”"女”"ナイショ♡”の欄が出て来た。



最後のふざけた欄は何なんだと思いながら俺は"男”を選んだ。



「以上で設定は完了です。こちらのアイテムをプレゼント致します。」



ゲームマスターと名乗る女がプレゼントをアイテム袋に届けるといつしか街の中へと放り出されていた。



「は！？ちょ、俺はどうすりゃいいんだゲームマスターさ──ん！！」



街中でいきなり叫んだ俺はこの後後悔することになった。



ゲーム世界の住民に警戒され警察のお世話になることになったのだった。