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 私が話をし終わった。

 怖いくらいに

 静まり返っている。


 それもそのはずだ。

 なぜなら嫌われているのは『私』。

 悪口を言われているのも、陰口を言われているのも『私』。

 毎日これ見よがしに真正面から「ブス」「死ね」と言われてきた私の、せめてもの対抗だ。

 こっちには先生が、親が、世間が、ーー自分が、ついている。


 あなたたちの悪口なんて、なにになるの?

 そんなこと言ってるなら授業中にしっかり発言すればいいのに。

 
 私は今、すべて言いたいことを言った。


 でもまだ、やり残していることがある。

 
 私は制服のスカートのポケットから取り出す。

 大好きな、私を写すほど綺麗に銀色に輝いている、私の相棒。

 ーー果物ナイフを。