───エピローグ───
ベルーガとの婚約から早3年ここまで色んなことがあった。



私には娘のアルテが生まれてベルは新しく地方の統治を始めて日々頭を抱えている。



次男のムーン王子にも妻と娘と息子が出来て奥さんの尻に敷かれている。



三男のリリール王子は奥さんと共に城を出て地方の山奥で静かに暮らしている。



お互い離れ離れになった兄弟達は月に一度文通を送り合い近況を報告している。




お義父様にベルを地方を統治し王としての知識を広めなさいとの指示を受けてから早1年



私もベルと共に地方に住み始めすっかり馴染んだ今日この頃。



私は今日もベルの仕事終わりを公園で待ちながらベルのお迎えに来ている。



「うー…」



「なぁに?アルテ」



「う!」



アルテはシロツメクサを指さし摘んでくれとアピールをする。



「摘んで欲しいの?」



「う!」



「はいはい」




プチっと2、3本摘んでアルテに渡す。



アルテは満足そうにシロツメクサを眺めては振り回して遊ぶ。



「茜、アルテ」



「おかえりなさいベル」



「うー!」



「ただいまふたりとも」



「帰ろっか」



「そうだね」



「うー…」



アルテはあからさまにガッカリした様子で私を睨む。
一体何処でその表情を覚えたんだと睨まれる度に思うが毎度スルーしている。



まだ身体が軽いうちは抱っこしちゃえばこっちのものだとジタバタと暴れるアルテを抱きかかえて帰路に着く。



そしていつの間にかアルテは疲れて家に着く頃には眠ってしまっている。



そんな毎日に幸せを噛み締めながら私は今日もベルとアルテと共に毎日のルーティーンを過ごす。



END