───始まりのきっかけ────
「ベルーガ様、陛下がお呼びです」



「わかった、今行くよ」



僕の名前はベルーガ・アルシュタイン。



アルシュタイン家の長男で2人の弟からは「ベル兄さん」とか「ベルーガ」と呼ばれて居る。



「ベル兄さん」



「どうした?」



「今日はベル兄さんのお見合いだね」



次男のムーンがにやっと悪巧みを企んでいるような笑みを浮かべた。



「何がそんなに可笑しいんだ?」



「だって俺より先にベル兄さんのお見合いとか有り得ないでしょ!俺も参加しちゃおっと思って♪」



「ったく…まぁ、お父様も文句は言わないだろう」



「だよね。楽しみだなぁどんな子達に会えるんだろう?」



ムーンと喋りながら僕はお父様の待つ広間へと到着しメイドのメリドットが扉をノックする。



「ベルーガか入りなさい」



「失礼します。お父様」



「お父様、失礼しま〜す」



「ムーンお前はどうした」



「ベル兄さんがお見合いをするなら僕にも参加させて欲しいんです」



「…まぁ、候補は多い方がいいか。よろしいふたりとも入りなさい」



「はーい失礼しまーす」



「失礼します」



そうして僕ベルーガと弟のムーンの婚約者探しが始まった。