───自惚れ───
「みんな!行くよ!」



柚月ちゃんの合図で俺は骸骨に羽交い締めにされる。



「助け…っ」



首を絞められ、声も出せなくなる。



その時



「お疲れ様。柚月」



「パパー!見てたー?」



「あぁ…見ていたのだよ。よく頑張ったね柚月」



「えへへ〜♪」



若いお兄さんが屋上から舞い降り、骸骨達にお疲れ様と感謝の意を言い俺に向き直る。



「君、僕達の楽園に勝手に足を踏み入れないでくれたまえ」



「「そうだそうだー!」」



「まぁ、仕方ないね…こうして足を踏み入れてくれたんだ。おもてなししないとだな…なぁに痛いことはしないのだよ安心したまえ」



そうしてパパと呼ばれた人物が指を鳴らすと



俺の肉体は消え去り気付けば俺は骸骨となっていた。




「柚月ちゃ…」



「柚月!おめでとう!」



俺が声をかけると同時に俺の後ろから柚月ちゃんに声をかけた骸骨が柚月ちゃんを抱き寄せる。



「ありがとう、咲月」



「僕、柚月がパパに褒められて嬉しいよ…でも、妬けるんだ…柚月は僕のことだけを好きでいて欲しいよ」




その言葉を聞いて俺は察する。



付き合うことは無理でもお友達ぐらいにはなれると思っていたのだが



付き合っているのだふたりは…



付け入る隙などないのだ…と



END