───肝試し───
「なぁ、今年の夏は夜の学校で肝試ししねぇか?」



「「いいね〜」」



一軍の勝ち組の取り巻きポジの俺は周りに合わせ適当に相槌を打つ。



「ね、やめない?ほら、ゲーセンとか行こうよ!遊園地は?お化け屋敷もあるしそっちにしようよ」



臆病な奥山がまたいつもの発作を起こす。



が、発作を起こす奥山をスルーし夜の学校へ潜入することが決まった。




そして始まった夏休み初日



俺達は正門前で合流し、夜の学校へ潜入する運びになっていたのだが…



"ごめん🙇‍♂️お母さんに部屋を片付けろって見張られてて行けそうにない"



"ごめーん、お前ら今日は潜入中止だ腹痛てぇ…"



「…ったく、何だよそっちが呼び出しておいてなぁ?」



俺と同じ取り巻きポジの白羽が呟く。



「だよなぁ…折角ここまで来たのに」



「な!だからさ…あの噂がガチか調べるか?」



「噂って二度と帰れないとかって言う?」



「そーそー、お前行ってこいよ。柚月ちゃんが巡った所とかどうよ?好きだったんだろ?」



「…」



「もし、一時間経っても帰って来なかったら助けを呼びに行くから…な?いいだろ?」



「…分かった、行って来るよ」



嫌々な様子を演じつつ心の中では柚月ちゃんに手を合わせたいと思っている自分がいた。




なので俺は単独で夜の学校へ潜入することにした。