明らかに高そうな

シャンデリアや家具。

そして高そうな棚に綺麗に並ぶ

バカラのグラスたち。


テレビも驚くほどの大きさだ。


このダイニングだけで

僕の家の部屋が幾つ入るだろう…


「敬太君、どうぞ座って」


「はい…」


紗江のお母さんが紅茶を

出してくれた。


僕はその紅茶を一口飲んだ。


その時、一年前に

ここへ来た時の記憶が

鮮明に甦ってきた。


正直、思い出したくない記憶だ。


しかし、避けては通れない道だ。


「ねぇ、敬太、

ちょっとお願いがあるんだけど

いいかな?」


「何?」


「ちょっと荷物を

運んでもらいたいんだけど

いいかな?」


「ああ、いいよ」


僕と紗江は紗江の部屋へ行った。


紗江の部屋も以前来た時とは

少し雰囲気が変わっていた。


「前と違うでしょ。

模様替えしたの。

綺麗?」


部屋は淡いピンクで

統一されている。


以前は白が基調だった。

それに花柄の物が多く

目に入った。


「ピンクもいいね。

花柄の物もすごく綺麗だね」


「良かった」


紗江は嬉しそうに笑った。


「どれを運ぶの?」


「うん。使わない物を

まとめたんだけど

重たくなり過ぎてしまって…」


「いいよ。

何処に運べばいい?」


「ごめんね。案内するね」


僕らは荷物を運び終え、

紗江の部屋にまた戻ってきた。


そこに紗江のお母さんが来た。


「紗江、夕食の準備

手伝ってちょうだい」


「うん。

敬太、準備してくるから

部屋に居ていいよ」


「うん」


紗江は夕食の準備に行った。


僕は紗江の部屋で待つ事にした。


本棚が目に入った。


アルバムらしき物が

目に入った。