「……あ、そうだ。彩羽」

椅子に解けるように座っていたロアールは、何かを思い出したかのように彩羽の方を向いた。

「なんかねぇ、今変な噂があるから気を付けなよ」

「……変な、噂?」

ロアールの言葉に首を傾げると、ロアールは「そうそう」と座り直す。

「魔女や魔法使いたちが、何か良からぬことを企んでいる。だろ?ロアール」

ロアールが話をしようとしたタイミングで、ロアールとは昔からの付き合いであるエドヴァルドが口を挟んだ。

「ん。エド、正解」

エドヴァルドの姿を見てから、ロアールは答える。

「もし、その企みが……六月一日を狙っている、とかの場合……」

表情を1つも変えず、エドヴァルドは話し出した。

「その場合は、私が必ず彩羽を守る」

ツキミがそう返すと、授業が始まる5分前を知らせるチャイムが鳴る。

「……というわけだ。彩羽、頑張れよ」

ツキミの言葉に、彩羽は「はい!」と答えた。



放課後になり、彩羽は指定された部屋へと向かう。早速、今日から部隊としての活動があるのだとか。部屋に入ると、既に部屋にいたツキミが「おう、彩羽」と彩羽に声をかけた。

彩羽はツキミに挨拶をして、空いている席に座った。