飛行機の中で、夏から渡された色紙を
見つめる矢上。
 色紙の左下には……


 大好きだよ……矢上
     From:上野夏

と書かれていた。

「だから……呼び捨てにするなっつ~の」

 矢上はクスッと笑いながら呟いた。


 夏がレモンが描かれたキャンパスを
ローボードの上に飾ろうとキャンパスを
持ち上げると、一枚のメッセージカードが
ヒラヒラと舞い落ちた。

 「ん? なんだ?」
 夏がカードを拾うとそこには、


 レモンの花ことばは、
 心から相手を恋しく感じ慕うこと……
 初恋は、苦しさや切なさなんかじゃない……
 爽やかで甘酸っぱい思い出だと思うんだ。

 夏、俺が君に言えなかったことは

 恋はレモンのように……

 
 矢上が添えたメッセージカードを
読み終えた夏は……

 「矢上のくせに……」
 と微笑みながら呟いた。


 ~恋はレモンのように…… 完~