矢上の教育実習最終日の朝……
バタバタとクラスメイトが夏のもとに
色紙を持って来た。
 「夏~、ごめん。最後に記入してくれる夏が
最終日になってしまって……」
 と謝るクラスメイトに、
 「全然大丈夫だよ。私が一番最後だよね?」
 夏が聞くと、
 「そう……で、書き終わったら、
このラッピングフィルムの中に入れて、
この包装袋に入れてリボンシールを貼って
くれないかな……」
 
 「わかった……やっとくよ」
 そう言って色紙を受け取る夏。

 色紙を受け取ると、夏は一番左下の
少しの余白を見つけると、暫くその余白を
見つめ続けた。


 「はい……できたよ」
 綺麗に包装された色紙が入った袋を
夏がクラスメイトに手渡した。

 「サンキュ~、ありがとう」
 夏から袋を受け取ったクラスメイトは
教室の後ろの棚に準備された花束の隣に
袋を置いた。

そして、
金曜日の最終授業が終わると
ホームルームの時間がやってきた。