着替えを済ませ、テーブルの上には
テイクアウトの料理やお菓子、ケーキを
置いて、晩餐会の準備が整った。
 「じゃあ、皆様、グラスをお取りください」
 ひとみが言った。
 恭介と夏もグラスに注がれたジュースを
手に取った。
 「それでは、俺等の友情? 
まぁ、なんでいいか~。取り合えず乾杯~」
 恭介の元気なかけ声とともに、お泊り会が
スタートした。
 
 束の間の開放感に包まれる三人は、
楽しそうに料理をほうばり、色んな話を
始める。
 賑やかな笑い声や、驚いた顔……。
それは、空から降る雨音をかき消すようであった。

 
 一方で、隣の家のリビングの窓際に立つ矢上は、
カップラーメンをすすりながら……
 「アイツ等、盛り上がってんな~」
 とカーテンの隙間から見える灯りを見つめていた。