お風呂に入り、戸締りをして部屋に
戻って来た夏。
 窓から見えてる向かいの窓。
 
 葉山の部屋は真っ暗闇……
いつもは、気にもとめなかった
葉山の隣の部屋には明かりが灯っていた。
 
 何故か、不思議と安心感に包まれた夏は、
カーテンを閉めると、そのままベットに
横になると布団を被った。

 さっきは、四人目の男性……的なことを
思わず口にしたけど……
 バレてないよね? ひとみちゃんが、
矢上っちを四人目なんて言ってたからつい……

 でも、今夜の矢上っちって、いつもの
悪態男とは違って優しかったな……
 私の分析によると……
 彼といると意外と楽しかった。
 案外、いい人なのかもしれない。
  って、私何を考えてるんだろう……
 ない、ない、ない~。
 取り合えず、寝よう……。

 夏は、室内に灯る照明を消すと、
眠りについた。

 夏はまだ気づいていなかった。
 彼女の心の中に、矢上慎也という
男性が入り込み始めたことを……。