その日の夜……
 夏の家のリビングでは……
 「え~いいな~。お父さんとお母さん、
九州に旅行なんて……私も行きたい! 九州」
 夏が両親に言った。
 
 「仕方ないだろ~、夏……今回はお酒飲む
ツアーだし、年齢制限があってだな……」
 父親がが夏に説明をする。

 「夏~、ごめんね。お父さんとお母さんだけ
旅行に出かけて……ほら、お土産買って来るから
許して……ね、夏ぅ~」
 ウキウキ声の母親……。
 
 「はぁ~、わかったよ。行ってらっしゃい」
 「夏、ありがとう~。あっ! ほら、夏も
ひとみちゃんや恭介君を呼んでワイワイすれば?」
 母親が夏に言うと、それを聞いた父親が、
 「だめ、だめだよ~。若い女の子が、
両親がいない家に男の子をあがらせるのは……」
 「あら~、あなた大丈夫よ。
恭介君とひとみちゃんは、
そんな子じゃないって知ってるでしょ?
 それに、用心棒にもなるし……」
 
 「ああ、そうだけど……でも、父さんは心配だ」
 「大丈夫よ! だって、お隣には、夏の担任の
俊二君がいるから……
担任の先生が隣にいるんだから
そんなことはないと思うわ……
それに、うちの娘は大丈夫よ!」
 母親がニコッと微笑んだ。

 「それも、そうだな……恭介君は大丈夫だな。
それに、俊二君が隣にいるもんな。
 なんかあっても対処してくれるな……うん、
夏そう言うことで……」
 父親の変わりように呆れる夏であった。