ピンポーン。
 悠がドアを開けると、
『キヌコさん仕様』になった唯が立っていた。

 悠はが微笑みながら、
 「どうぞ……」と言うと唯を招き入れた。

 唯が無言で悠に抱き着いた。
 唯を受け入れるように悠も唯を抱きしめた。

 「悠さん、私悠さんのことが好きです。
 苦しいくらいに……好きです」
 と唯は悠を見上げる。
 唯の目から流れ落ちる涙。

 「わかってるよ、そんなこと
あ……また泣いてるな。
 ほら、泣かないで……」と言うと
悠が唯の頬につたわる涙を拭った。
 悠は、唯のほっぺたを両手で軽く掴むと、
「泣くな~、笑え~」
 と笑顔で言った。