悠の部屋で過ごすふたり、
ソファーに寄り添って座る悠と唯。
 笑いながら、悠の出演作品や唯の
出演作品を鑑賞する。

 時間はあっという間に過ぎ暗闇に包まれた空に
星々が輝く頃になっていた。

 「そろそろ、帰ります……」と唯が言った。
 「そうだね。明日からまたしばらく忙しい
日々なんだろ?」

 「はい。撮影とか、悠さんもでしょ?」
 「うん、俺は『RAIN』のツアーのリハが
始まるくらいかな?」

 「ツアーですか。やっぱり悠さんは凄い……」

 「あのさ、キヌコさん……
 そろそろ、教えてよ。連絡先」
 悠が唯に言った。

 「そうでしたね。わかりました」
 と言うと唯はスマホを取りだした。

 連絡先を交換した悠と唯、

 「やった。ありがとうキヌコさん」
 嬉しそうな悠。

 「じゃあ、気を付けて。 
 今日は色々あったけど、楽しかった」
 悠が唯を抱き寄せると言った。

 「こちらこそ、良い休日になりました」
 悠に抱き寄せられた唯も言った。

 EVでエントランスに下りてきた二人、
林がカウンターから軽く会釈をした。
 唯も会釈をするとマンションを後にした。

 こうして、偶然再会を果たした悠と唯の休日は
終わった。